STAFF INTERVIEW
いなほの訪問看護ステーション/訪問看護師:桑山さん

利用者様とじっくりと向き合える
訪問看護の仕事には魅力がたくさんあります。

いなほの訪問看護ステーション
訪問看護師:桑山さん

病院の看護師から訪問看護の看護師にキャリアチェンジした桑山さん。ご自身は経験を積んでから訪問看護にチャレンジしましたが、看護師としての経験が浅かったり訪問看護未経験者でも大丈夫とのこと。そう実感した理由とは?

自宅での生活を希望する利用者様への看護

訪問介護ステーションはどのようなところですか。

利用者様のご自宅に伺って看護を提供する、訪問看護のサービス施設です。
訪問介護とは異なり、看護師がご自宅に伺って介護ではなく看護をします。重度の方ですと末期がんの方や、ご病気がなくても障がいが多くて介護士さんの介護だけでは十分なケアが受けられない方、高齢で健康状態の管理が難しい方も対象です。また、体調の変化や異常に早めに気がつくことで入院を防ぎたいという、予防的な訪問看護も行っています。

あくまで自宅での生活をこれからも望んでいる方ということですね。看護師さん自らが1人で訪問するのですか?

はい。車や自転車に乗って1人で行きます。そのため、傷の手当の道具や血圧計の入っているバッグをいつも持ち歩いています。

白岡白寿会に入職したきっかけを教えてください。

病棟での看護師をしたあと、3年ほど前まで都内で訪問看護をしていたのですが、転居することになり転職を検討していました。この近隣で訪問看護ができたらと思っていたところ、当時この訪問介護ステーションが開設したことを知り入職を決めました。

利用者様の生活に関わるお仕事なので、自宅から少し離れたところで働くことを検討していました。やはり利用者様のご家族や家庭に入り込むことになるので、ご近所の方と知り合いだったりするとお互いにやりにくい部分があると個人的には考えます。そのため、自分の生活圏よりも少し離れたところというのが仕事を選ぶ条件のひとつでもありました。

現在の「管理者」というのはどのような仕事ですか。

今のところ入職したスタッフは全て訪問看護が未経験の方なので、育成という部分と、訪問のスケジュールの管理や顧客を増やす施策を考えるといったような管理業務を行っています。もちろん私もいちスタッフとして訪問看護に赴いています。

利用者様と1対1でじっくり向き合える

病棟の看護師から訪問看護にシフトした理由を教えてください。

訪問看護の仕事に就きたいと思った理由のひとつに、病棟での看護は1対1で対応するのにすごく時間が限られているというが悩みがありました。血圧を測るのも30秒だけだったり、ゆっくりお話を聞く時間もありませんでした。一方で訪問看護は利用者様1名につき30分から1時間お時間を取って、しっかり対面してお話を聞いてケアをすることができます。私はそういった看護に興味がありました。

そのほかに病棟での看護師時代、「患者さんたちが退院した後、どのような生活を送っているのだろう」ということをよく考えていました。麻痺がある方や、一人では暮らすのが難しそうだと感じた方でも、期限が来ると退院を余儀なくされることもあり、その後の支援に携わりたいと思ったのです。

しかし、訪問看護は難易度が高いというイメージがありました。若い頃は自分の知識や経験が不十分だったらできないのではないか、と。私は訪問看護を始めたのが30代後半なのですが、そのくらい経験を積まないとできないものだと思っていたのです。一人で判断していろいろな処置をするのは、全ての経験を十分に積んでからじゃないとできないって。

しかし、それは私の思い込みでした。未経験でも訪問看護は十分可能だと気づかされました。実際にやってみると、当初の予想とは異なり、数多くの新たな発見がありました。

看護師の資格があれば、訪問看護未経験でも可能

なぜ未経験でも可能だと実感したのですか。

なぜかというと、利用者様のご自宅には1人で訪問しますが、訪問看護ステーションはチームなので、他の人のサポートが必ずあります。見えない部分で他の人のサポートがあるので、未経験であっても経験が不足していても、訪問看護をすることができるとわかったのです。ですので、私ももっと若いうちから訪問看護で働けばよかったと思いました。

桑山さんはお子さんがいらっしゃるとのことですが、子育てとの両立はいかがですか。

病棟の看護師は夜勤もあったので、子育てとの両立が難しいと感じていました。夜は家にいたいと思い夜勤の回数を減らすと、その病院では戦力外のような気持ちになってしまうのでモヤモヤとした気持ちがありました。それも夜勤のない訪問看護にキャリアチェンジした理由のひとつです。

訪問看護でもスキルアップは可能

訪問看護が未経験でも挑戦してみようか悩んでいる方にどんなことを伝えたいですか。

経験の有無よりも、興味があるときに始めたほうが学びに対して貪欲になれると思います。また、訪問看護を通じて自分が大切に思う家族のような存在が増えるというのは、ここでしかできない経験だと思います。それが負担になるという人もいるかもしれませんが、私はそれを素晴らしい経験だと感じています。

それから、私が訪問看護を始めたとき、最新の医療に触れることができなくなるのではという不安がありました。急性期の病院で働いていたので、手術や処置、薬などで最新のものに触れられず、取り残されているように感じていました。看護師としての知識や技術が伸びなくなるのではないか、と。

しかし、世の中が変わり、今までは病棟に入院するような高度な治療を受けながらも自宅で生活する方が増え、それに伴い訪問看護の需要も増加しました。訪問看護師として働きながらも、看護師として学び続けられることがわかりました。

医療に関する学びは、自分から積極的に取り入れているのですか。

はい。訪問看護師の質を上げていかないと、世の中についていけなくなってしまいます。
例えば、薬剤師の方々が開催している無料研修や、訪問看護協会が訪問看護師向けに開催している講座など、学ぼうと思えば、学べる環境はいくらでもあります。

この仕事のやりがいや良いところは何ですか。

少し複雑な話になりますが、看護は計画を立て、看護を提供して結果を評価し、より良い結果につながるように計画を調整して看護を提供し、結果を評価するというサイクルを繰り返します。しかし、病棟ではそのサイクルが完結する前に、退院されたり、亡くなられたりすることもあります。

訪問看護は長期間にわたり1人の利用者様に関わるため、自分で考えたことを実践し、修正して、さらに新たな取り組みを行うことで、利用者様が変化していくのを実感できます。もちろん自分だけでなく、医師や介護士、リハビリ職、ケアマネジャー、薬剤師などいろいろな役割の方と複合的に関わっていきますが、自分が実際に関わって修正できることに大きなやりがいを感じます。そのため、スキルアップを目指す方にとって非常に面白い仕事だと思います。

桑山さんはどんな人と一緒に働きたいですか。

楽しんで仕事ができる方と一緒に働きたいと思います。あとは予想外のハプニングがあったり、訪問のスケジュールなどが利用者様の状況により変わったりするので、おおらかな気持ちで臨機応変に対応できる人が向いていると思います。

休暇を取るのは「お互いさま」

白岡白寿会に入職してよかったと思うことを教えてください。

長期の休暇が取れる点が魅力です。職員全体の意識として、長期休暇を取ることは特別なことではなく、「お互いさま」という文化が白岡白寿会には浸透しているため、とても働きやすいと感じています。(※Wハッピーホリデー/リフレッシュ休暇)

ここでは常に誰かが長期休暇を取得しています。そのため、たまに誰かが急に休んでも「仕方ないよね」と受け入れる、お互いさまの精神が自然に育まれている法人だと感じています。仕組みを整えれば、どんなことも可能になるのだと実感しました。

長期休暇はどのように利用していますか。

私は実家が北海道で、飛行機が1日1往復しか運航していない地域なので、休みが3日以上ないと帰省ができないのですが、前職は3日以上の休暇を取ることが難しく、なかなか帰省できずにいました。現在は、長期休暇のおかげでコンスタントに帰省できるようになり、さらに家族との旅行に充てたり、旅行以外にも自分の時間を確保する余裕ができました。

最後に、今後のキャリアはどのように考えていますか。

まずは、管理者としての役割を果たせるようになることが目標です。次のステップについてはまだ具体的に考えられていませんが、白岡市・蓮田市などのエリア内で一番の訪問看護ステーションになるためには、私と同じような業務を担える看護師を2名、3名と増やしていく必要があると考えています。ですので、そのロールモデルになれるように努力したいと思っています。

※Wハッピーホリデー/リフレッシュ休暇

Wハッピーホリデーは、職員全員が有給休暇と公休を連続で取得できる制度。
リフレッシュ休暇は7日間以上の連続休暇(原則義務)。これにより1週間以上の長期休暇が年に2回取得できるうえに、連休を取った職員には2万円も支給される。(リフレッシュ休暇は週の労働時間に応じて付与。7日間は週40時間勤務する通常の正規職員に限る)

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