介護と福祉の業界には無限の可能性がある。
一歩先の働きやすさを叶える白岡白寿会の魅力とは?
社会福祉法人 白岡白寿会
理事長:山﨑文博氏
白岡白寿会で働く職員の方々にお話を伺ったところ、皆さん一同「働きやすい」とおっしゃっていたのが印象的でした。他に類を見ない白岡白寿会の働きやすさの真髄について、山﨑文博理事長に直撃しました。
働きやすさ①充実の長期休暇制度
まず白岡白寿会についてご紹介いただけますか。
山﨑理事長:白岡白寿会は、埼玉県白岡市にて特別養護老人ホームやショートステイ、居宅介護支援事業所などを展開している社会福祉法人です。2021年からは新たに、病院と自宅の中間として高齢者の方が滞在できる「いなほの看護小規模多機能」や「いなほの調剤薬局」も運営しています。利用者様の満足度ももちろんそうですが、職員の働きやすさもかなり重視しています。
働きやすさにこだわる理由は。
常に私が「自分が働く立場だったら」というのを基準にして考えて、できることをやっているのです。自分が働く立場で考えた時に、嫌だなと感じたり、不満だなと感じる環境で、職員に働いてもらうことはできないと考えています。
では、その働きやすさについて詳しく教えてください。
最初に、白岡白寿会には年に2回長期休暇を取れるように「リフレッシュ休暇」と「Wハッピーホリデー」という2つの休暇制度がありますので紹介します。
ここでは就業規則で7日間の連休(こちらがリフレッシュ休暇)を取る決まりがあり、それに加えて有給休暇を5日連続(こちらがWハッピーホリデー)で取ったら2万円を支給しています。そのため1回は就業規則で決まっているので7日連休を取りますし、有給休暇についても2万円支給されるので多くの人が連休で取ることになります。有休は使うためにあるものだと私は考えているのです。
前代未聞の制度ですね。すんなり導入できたのですか。
2015年に私がこの法人に入職した際、職員の方々が皆長期休暇を取らないのを見て「本当に取らなくていいのかな?」と思いました。そこで職員さんに聞いてみたら、「この仕事(介護)は長期の休みなんて取れない」と言うのですね。いやいやそれはないだろう、と。例えば1チーム10人で仕事をしていれば、誰かが体調不良や骨折などで1ヶ月2ヶ月いないということが起こりうると考えられます。それでも職場はどうにか工夫して回しています。そういう現実から考えると1週間くらい人が1人いなくても問題なく現場は回るはずなのです。たしかに一度にみんなが同じ時期に休暇でいなくなったら困るけれど、順番に1人ずつ休暇で休んでもなんとかなるはずだと。そこで一度やってみようということにしました。
しかし、皆さん一同「取れるはずがない」という反応でした。この業界には2連休取ることすら憚れる雰囲気があったのも事実です。でも、論理的に考えると「取れないはずがない」。まず1年目は5日連続休むことを導入してみて、問題なかったので次は1週間に延ばし、今ではそれを年2回取れるシステムへ段階的に成長させました。つまり、介護の業界はチームプレイなので休めるのですよ。
連休が取れるようになってから、職員の方にはどのような変化がありましたか。
皆さん旅行、特に海外旅行に行くようになりましたね。この制度の評判が広がっていき、長期休暇が欲しい人が当法人に就職するようになりました。変化ということでいうと、誰かがいない時に他の誰かがカバーすることで成立する仕組みなので、長期休暇を取るためには「お互い様」という考え方が一番大切なのですが、休暇の有無を問わず普段からお互い様の考え方になっていきました。「お互い様」は白岡白寿会で最も大事にしている言葉のひとつです。
その考えが徹底しているのですね。
気持ちの面で心から思っているかどうかはさておき、仕組みにしてしまっています。そのためにも、あるひとつの拠点の職員が別のところでも働けるよう、一人二役以上できる職員を育成しています。一時的に欠員が出た場合などは、他の部署や事業所からヘルプを出せる体制があれば様々な状況に対応できるようになります。
働きやすさ②「働き方の指針」と「いなほの掟」
休みが取れる以外に職員の方が働きやすくなるために工夫してることはありますか。
皆が納得して働けるよう、2021年に「いなほの掟」というルールと、人事考課制度の基準になる「働き方の指針」をつくりました。この新しい人事考課制度は、リーダークラスのスタッフを集めて2年がかりでつくったので、現場の職員の方の納得度が非常に高いものになっています。部下にどう働いて欲しいか、同僚にどう働いてほしいか、また上司にどう働いてほしいのかをリサーチして等級ごとに評価をつくっているのです。これらに沿って働くことで、自分の評価のアップにもつながります。
「働き方の指針」は20~30個あり、その中でも特に重要な5つを「いなほの掟」としています。
<いなほの掟>
① 物事に真摯に取り組みます
② 現状をより良くしよう、他者と協力しようという態度・姿勢で仕事に取り組みます
③ 上司や先輩職員等の指導や助言は素直に受け取ります
④ 周囲を不快にさせる態度を取りません
⑤ 常に相手への感謝の気持ちを持ち、良好な人間関係を保ちます
これは、「挨拶しない人がいます」「いつも遅刻する人がいます」など、私が入職してからの5年間で実際に職員の方から寄せられた声をもとにつくられました。
働く側にとっても、どこを評価されているのかがわかるので安心ですね。
働きやすさ③しっかりした研修体制とわかりやすい評価制度
ちなみに、他の施設などから転職してくる方に転職理由を聞くと、研修体制がなくてちゃんと教えてもらえなかったということがよく挙がります。白岡白寿会では研修体制に力を入れており、外部の研修会も導入したりもっと勉強したい人には資格の取得を支援したりもしています。やはり、成長を実感できないとモチベーションが上がらず辞めたり病んでしまうのだと思うのですよ。
技術的な面などで自分のやり方が合っているか間違っているかわからないままだと、ストレスがかかりますよね。
入社時のオリエンテーションで白岡白寿会がどのような法人かしっかり把握していただき、そのうえで私たちが考える介護とは何なのかを教えます。そして準備ができたら現場でOJTを行います。OJTでは先輩職員がそれぞれ違うやり方を教えることがないよう、業務標準マニュアルというチェックシートを設けています。それには例えば食事の介助の仕方、入浴の介助の仕方、トイレの誘導の仕方などについての詳しいマニュアルとチェックポイントが書かれていて、FAQ(よくある質問)も一緒に載っています。そうすれば、どの手順でやるかが明確に伝わるのです。「こういう時どうするんですか」「それはFAQの横に書いてあるよ」「先輩たちはどこが重要だと思ってるんですか」「ここに評価点数が書いてありますよ」と。
つまり、マニュアルとチェックポイントと評価が1枚でわかるシートになっています。
どこが評価のポイントになるかというのは私の理屈ではなく、実際に働いている職員の理屈でつくられています。これを運用し始めてから評価をする立場の職員からも評価しやすくなったという声を聞きます。やはり基準がないと、嫌われたくないとか厳しくしたくないという感情が出てきてしまうのですが、「こういう指導をしたことが一度でもあった、1点」と書いてあったら、事実をもとにそこにチェックを付けていくだけなので。白岡白寿会での評価はすべてこれに則っていて、逆にいえばこれ以外のことでは評価しません。
今後は、“縁の下の力持ち”や“黒衣”のような役割や機能についてもより評価していけるように、精度を上げていきたいと思います。
働きやすさ④副業OK! 法人内でさらに稼ぐことも可能
近年、副業やダブルワークを推進する動きが社会の中でありますが、白岡白寿会ではそういったことは可能でしょうか。
もちろん可能ですが、もっとお金を稼ぎたい方には法人の中で稼げる制度も揃えています。基本的には働き方の指針において残業は推奨しておりませんし、勝手に残業すると減点するルールもあるのですが、残業してでも稼ぎたいという方に向けて、「計画的な残業」ができるようにしています。
法人も本人も同意のうえでなら残業して稼げる、ということですか。
はい。標準の労働時間は週に40時間ですが、日本の法律では月に30時間残業してもいいことになっているので、計画残業という形です。法人としても、外からダブルワークの方を1人雇うよりも教える手間も工数もかからないのでコストパフォーマンスがよいのです。既にいる職員の中で40時間を超えても働きたい方がいれば、一人前のプレイヤーが標準労働時間の40時間を超えて働いてくれることになりますから。
働く職員側にとっても、残業分は割増賃金になるので、外でアルバイトのようにダブルワークするより法人内で働いたほうがもらえる金額も高くなります。もちろん、法人の外で全く違う職種のダブルワークをしたいという方もいると思いますので、それもOKですよ。
働きやすさ⑤他社とは一線を画す充実の退職金制度
それから、他社と違う点として退職金制度についても紹介します。多くの法人や企業では、都道府県が用意している一般的な退職金制度を使っています。以前、この制度を使った場合はいくらの退職金がもらえるのか自分で計算してみたら、とても少ない金額で驚きました。「これでは安心して長期間働けない」と思い、なんとかならないか調べてみたところ、医療と福祉の分野で国が用意している退職金制度があることがわかりました。この国の退職金制度と一般的な県単位の退職金制度をダブルで採用すると、退職金の金額は他の法人とは比にならないくらい高額になります。ただし、この国の退職金は全額会社負担で1人の職員あたり年間で14万円ほどかかってしまいます。
それは大きな金額ですね。
事業年度の赤字も黒字も関係なく、退職金制度に加入していると対象職員全員分が費用として法人の負担になりますので、なかなかの覚悟が必要です。しかし、「自分が働く側になったら」と考えるとどうでしょう。自分が安心して長期間働けないと感じる職場や業界であれば、それを職員にお願いすることはできないと思います。
国と県の退職金制度両方を採用すれば、加入期間などの条件にもよりますが、県の退職金制度だけの場合の金額の約3〜4倍ほどにもなるのですよ。両方ほしいと考えるのが自然ではないでしょうか。
手厚い退職金がもらえるとわかれば安心して働き続けられますし、離職を抑えることにもつながります。先行きが見えるので、「ここで頑張ろう」と思ってずっと働いてほしいなと考えています。
働きやすさ⑥多様性-外国人もLGBTQ当事者も平等に働ける
白岡白寿会では外国人の職員の方もいきいきと働いていますね。
外国人の労働者の方は日本に夢を持ってくるそうで、彼らは日本で日本人と同等の扱いを受けて働くことを目標にしています。しかし、外国人労働者を受け入れている一部の施設では、人材不足を補うための頭数としか思わずに雇っているところもあるのが現実です。そうなってくると、日本人と同等に産休や育休が取れなかったり、仕事の領域に差をつけたりすることも少なくないようです。いわゆる国籍による差別ですね。差をつけることに合理的な説明がつけばわかるのですが、そうではないことがほとんどではないかと感じています。
外国籍の方々は、日本に来て働くことを目標に頑張ってきて、日本語検定で一番レベルの高いN1を持っている優秀な方もたくさんいらっしゃいます。
今、白岡白寿会で働いている方は、N1レベルの日本語の能力があって介護福祉士の資格(※介護の国家資格)も持っているにもかかわらず、前の職場では外国人だからという理由でやらせてもらえないことがたくさんあったそうです。しかしここではそういった差は一切つけません。給与等の処遇面でも国籍による差はつけません。もしお給料の金額設定の根拠を聞かれた場合は、給与規定等で根拠を説明することができます。日本人と完全に同じ基準で給与を設定しています。同じ対価(給与)を設定しますので、同じ仕事や責任の量で働いてもらいます。
LGBTQの取り組みについても教えてください。
はい。性的マイノリティの方、いわゆるLGBTQ当事者も働きやすい環境をつくりたいと思っているのです。性的マイノリティの方たちが働きやすい職場環境づくりを考えている中で、ある統計を見た際に、転職率がとても高いということに気が付きました。なかなか職場になじめなかったり、転職が多く生活に困っている方も中にはおられて、そして高齢になった時に貯蓄がないという方も少なくはないということがわかりました。LGBTQ当事者が働きやすい職場づくりや、外国人の方が働きやすい職場づくり、その他まとめると、ダイバーシティ&インクルージョンという取り組みは、多様性を認め合いつつ最終的に日本社会全体の生産性の向上に繋がると考えています。
「workwithPRIDE」という、LGBTQの方々が働きやすい職場づくりを目指す指標があるのですが、医療と福祉の業界で初めて白岡白寿会はゴールド認定を取った法人なのですよ。職員さんの中にLGBTQ当事者の方がいるかいないかというのは、私にとっては右利きか左利きかくらいの感覚なのでどちらでもよいのですが、“働きやすい環境をつくる”、言い換えると“働きづらさをなくす”という意味ではすぐに取り組むべき課題であり、外に向けてどんどん発信していこうと思っています。
具体的にどのようなことを行っているのですか。
入社時のオリエンテーションや職員に向けてLGBTQに関する研修も行っていますし、性別問わず使える更衣室やトイレなど施設のハード面も工夫しました。
そういった土壌が整ったら、LGBTQの利用者様にも快適な施設になりそうですね。
そうですね。まずは働き手側の常識にすることから着実に進めています。それができてから、LGBTQの利用者様も過ごしやすいようにしていこうと考えています。
白岡白寿会が求める人物像とは
では、白岡白寿会にはどんな人に来て欲しいですか。
いつも明るくて、挨拶ができる人をお待ちしています。あとは24時間動かすサービス形態なので、急に休まない人がいいですね。白岡白寿会は、職員の満足度というより納得度が高い職場です。「納得できるから頑張って働くよ」という方を増やしていきたいです。
ちなみに新卒採用は行っていますか。
たまたま新卒だったという方はいますが、新卒採用として特に限定したことはありません。特に新卒や年齢にこだわる必要もありませんし、未経験の方の応募もお待ちしています。
白岡白寿会の未来について
最後に、白岡白寿会の今後の展望について教えてください。
介護と福祉の業界には無限の可能性があります。
まずは“できるだけ長く健康に暮らせる街に”ということを考えています。その中で、介護事業を行う社会福祉法人が調剤薬局を持つということは非常に珍しいと思いますが、2021年に調剤薬局を開設しました。理由としましては、特に認知症の高齢者の方については、適切な服薬管理ができていないことにより病気が長引く、あるいは悪化するという課題があったと考えたからです。この課題をどのように解決するかと考えた時に、連携しやすいように法人内に調剤薬局をつくればいいと思ったのです。
法人内で介護の相談窓口や訪問介護、訪問看護、老人ホーム、調剤薬局などを全て連携させれば、良いサイクルが生まれると考えています。老人ホームなどの施設も運営していますが、今後は、介護や医療が必要であっても、住み慣れた自宅で暮らし続けられる24時間サービスを充実させていきたいと考えています。
また、障がいをお持ちのお子さんを家でみてきた親御さん達の高齢化も進んでいます。
“自分達に介護が必要になった時のことを考えると、普通に老いることができない”と相談されたことがあります。このような親子が離れ離れにならずに暮らせる仕組みを作りたいと考えています。そのため、老人ホームの近くに障がいをお持ちのお子さん達が住めるグループホームをつくり、それがうまく機能したら、次のステップとして障がいのある方が働ける場所もあるといいと思いますので、構想を練っているところです。
私は新しく何か事業をやる時に大切なのは、ハードルの高さや利益の高さではなく、必要だと思われているけれど人がやらないことをやるということです。「今この事業が流行っているから」という理由では絶対にやりません。必要だけどやる人がいない。その両方が合わさった時に、自分がやる価値があり、挑戦する面白さがあると考えています。
あらためて、介護と福祉の業界には無限の可能性があります。それを知っていただいて、夢と希望を持って一緒に実現していく。こういった方々と働きたいと思っています。
- ※Wハッピーホリデー/リフレッシュ休暇
Wハッピーホリデーは、職員全員が有給休暇と公休を連続で取得できる制度。
リフレッシュ休暇は7日間以上の連続休暇(原則義務)。これにより1週間以上の長期休暇が年に2回取得できるうえに、連休を取った職員には2万円も支給される。(リフレッシュ休暇は週の労働時間に応じて付与。7日間は週40時間勤務する通常の正規職員に限る)
- ※いなほの掟
2021年に、誰もが働きやすい職場環境をつくるために生まれた掟。
主な内容は、①物事に真摯に取り組みます。②現状をより良くしよう、他者と協力しようという態度・姿勢で仕事に取り組みます。③上司や先輩職員等の指導や助言は素直に受け取ります。④周囲を不快にさせる態度を取りません。⑤常に相手への感謝の気持ちを持ち、良好な人間関係を保ちます。
- ※新たな人事考課制度
2021年に、いなほの掟をベースにつくられた人事考課制度。「できている/できていない」を評価する細かいチェックシートが用意されており、その結果が人事評価だけではなく昇給やボーナスの査定などにも影響する。
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