定期巡回訪問介護とは？

まず、長島さんが介護のお仕事に就いた理由を教えてください。

私は工業高校の建築科で設計士を目指していたのですが、自分は3Dの絵が描けないという絶望的な挫折をしました。自分の中で建築の仕事は難しいと思っていた当時、母が骨折をして入院をしました。鎖骨の骨折だったのですが、面会に行った時にそこで働く方々を見て、人を助ける仕事はいいなと思ったのです。

そのとき看護師もいいとは思ったのですが、これまでずっと一生懸命頑張ってこられた高齢者の方々に何かお手伝いできることをしたいとも思って。そちらの方が自分にとっては合っているかなと思い、介護の道を目指すようになりました。

現在長島さんが所属している定期巡回訪問介護について、そして普段のお仕事の内容について教えてください。

はい。これは24時間365日訪問可能な体制をとる、国内でも新しい訪問介護の事業です。わかりやすく言うと、自宅のある町全体が施設という捉え方をしています。たとえば道路が廊下で、利用される方のご自宅が居室のような意味合いになってくるのですが、その中でスタッフが街を巡回しています。

必要なときに必要なサービスを、ご自宅へ伺って提供する。そこには定期的なオムツ交換や食事介助など、介護の一般的なお世話と言われるもの全般のほか、さらに緊急対応を加えることができるというのが大きな特徴です。利用者様のご自宅に緊急通報装置というナースコールのようなボタンを設置しており、何かあったときにそれを押していただくと、我々の持っている端末にそのままつながるようになっています。その際に助けてほしいという緊急通報や行動があったら、状況を確認してご相談に応じたり、必要があると判断したときには可能な限りすぐに駆けつけたりもします。

随時訪問をするというところが、今までの訪問介護にはない新しい特徴なのですね。長島さんは管理者でもあり、実際に介護士として巡回もされているのですか。

はい。いわゆるプレイングマネージャーです。現場で定期的な巡回もしますし、オペレーターもしますし、緊急対応もしています。オペレーターはスタッフで持ち回り制になっており、社用携帯に利用者様からの緊急連絡が来るようになっています。ただし電話に出たオペレーターが現場に行くことができるとは限らないので、LINEWorksといったチャットツールでスタッフ間で連絡を取り合い、その時に対応できるスタッフが現場に赴いています。

現在スタッフや利用者様は何名いらっしゃるのですか。

スタッフは8名、利用者様は24名の方が登録しています。このサービスは2023年の10月にスタートしたばかりなので、まだまだ少ないですね。

定期巡回訪問介護ならではの喜びはどんなところに感じますか。

利用者様やご家族と介護に携わらせていただくので、チームの一員のようになれるところでしょうか。多い方だと1日に5，6回訪問するので、いろいろな相談を受けたりしますし、コミュニケーションもたくさん取ります。少ない方だと1日1回だったり、場合によってはそれ以下だったりしますが、それでもお守りのように使っていただけているのがうれしいですね。

長島さんは定期巡回訪問介護の前は、何をされていたのですか。

白岡白寿会の中で居宅ケアマネージャーをしていました。定期巡回訪問介護がスタートするということで、社内公募に立候補して立ち上げから携わりました。その前には別の社会福祉法人に所属しており、認知症対応型共同生活介護という、いわゆるグループホームで管理者をしていました。介護業界には約20年いるのですが、白岡白寿会に来るまでにケアマネージャーの資格も取得しました。

長期休暇や社用車の貸し出し、勉強の書籍代など福利厚生が充実

ありがとうございます。では、白岡白寿会の福利厚生の魅力について教えてください。

定期巡回は社用車で訪問しているのですが、利用者様へのサービス提供時間を増やしつつ残業を減らすため、通勤時にも社用車を利用できる仕組みになっています。さらに、自宅付近の駐車場も法人負担で借り上げていただけるため、とても助かっています。サービスの品質向上と働きやすさの両立を目指した取り組みだと思います。

また、長期休暇を年に2回取得できる制度も素晴らしいと思います。職員全員が取得するため、休むことに引け目を感じず、「お互い様の精神」で気兼ねなく休むことができます。そのおかげでしっかりリフレッシュでき、結果的に仕事の質の向上にもつながっていると感じます。

今後介護士やケアマネージャーとしてスキルアップしたい方にお伝えしたいことはありますか。

白岡白寿会では、キャリアアップを望んでそれに合わせた努力をすれば、必ず目標が叶えられると私は思っています。そのための研修や学習費用、書籍代なども福利厚生で法人が負担してくれますし、学びの機会もたくさんあります。法人内で定期的にチェックシートが配られて、今後のキャリアをどうしたいかや自分がどうありたいかを記入する機会もあるので、どんどん目標が明確になっていくのが自分でもわかります。

長島さんの今後の目標を教えてください。

昨年立ち上げたばかりの定期巡回訪問介護を安定軌道に乗せることはまずはやるべきことだと思っています。これは白岡市内では初めての事業でもありますし、全国的に見てもまだ浸透していない事業でもあります。それを浸透、普及させるのが私に求められているところだと自負していますし、それによって地域の福祉介護力が上がることは間違いありません。施設ではなく在宅で過ごしたいという方はたくさんいらっしゃると思っています。

老世帯でも、認知症でも、独居でも、住み慣れた自宅で暮らし続けることを諦めないでいいということをアピールしていきたいと思います。